ドラゴンの運命. Морган Райс

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ドラゴンの運命 - Морган Райс


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      グウェンドリンは、凍るように冷たい王の川の泉に、鼻をつまみ、水中に頭を沈め、何度も浸かった。上流の泉にひっそりとたたずむ、岩が削られてできた小さな天然のプールに腰を下ろした。子供のころに見つけ、よく通った場所だ。しばらく水の中に頭を沈めたままで過ごした。髪や頭に冷たい水の流れを、何も身に着けていない身体が洗い清められるのを感じた。

      ある日グウェンが見つけたこの人里離れた場所は、高い山中にあって木立に遮られた小さな平地で、ここでは川の流れが緩やかになり、深く静かな水たまりを形作っていた。 上からは川の水が滴り落ちてきて、下に少しずつ流れていくのだが、この平地にわずかの流れが留まるのだった。水たまりは深く、岩は滑らかだった。奥まった場所のため、裸でも思い切り水浴びを楽しむことができた。夏には、夜明けに心を清らかにするため、毎朝のようにここに来たものだった。今までにもよくあったが、悪夢がまとわりつく今日のような日は特に、彼女が唯一慰められる場所だった。

      グウェンには、あれがただの夢だったのか、それともそれ以上のものなのかわからなかった。夢がメッセージや前兆となる時、どうしてそうだと彼女にわかるだろう?自分の心がいたずらをしているだけなのか、それとも行動を起こすチャンスを与えられたのか、どうしたらわかるのか?

      グウェンドリンは起き上がり、あたたかな夏の朝の空気を吸い、周囲の木々に止まった小鳥たちのさえずりを聞いた。水中の天然の岩棚に座って、首まで水につかりながら後ろの岩にもたれかかって考えた。手ですくった水を顔にかけ、それからストロベリー色の長い髪に手を滑らせた。澄み切った水の表面に、空や既に昇りかかった二つ目の太陽、水の上で弧を描いている木々、そして自分の顔が映っているのが見えた。水に映し出された青く輝くアーモンド形の目が、波打ちながら自分の姿を見返していた。その中にグウェンは父の面影を見ることができた。目をそらし、また夢のことを考えた。

      父の暗殺があった宮廷に留まるのは危険だと自分でもわかっている。スパイたち、陰謀、そして特に国王がガレスとあっては。兄は予測がつかない。執念深く、偏執狂のようだ。そして非常に嫉妬深い。誰もかも脅威とみなす。特に自分のことを。どんなことでも起こりかねない。ここにいたら自分は安全ではないとわかっていた。誰にとってもそうだ。

      だが、彼女は逃げ出すような人間ではなかった。父を殺した者が誰なのか、確実に知る必要があった。もしそれがガレスなら、彼を罰するまでは逃げることなどできなかった。グウェンは、犯人が誰であれ捕まるまで父の魂が安らかに眠ることができないのを知っていた。父は一生涯、正義を呼び掛けていた。他の誰でもない父こそ、その死において正義が行われるにふさわしい。

      グウェンは、ゴドフリーと一緒にステッフェンに会ったことを再び思い起こした。彼が何か隠していることを確信し、それが何なのか考えた。プライベートの時間になら明かしてくれるかも知れないという気がしていた。


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